トランプの時代がついに始まった。 「時代」の切れ目は得てして同時代人にはわからないものである。「時代が変わった」という感覚を過大評価すべきではないのかもしれない。しかし、予期しえなかった(あるいは目を背けてきた)事態の出現を前にして、何かが…
娯楽番組を創った男:丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生 作者: 尾原宏之 出版社/メーカー: 白水社 発売日: 2016/10/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る NHK「のど自慢」を作り出したのは、丸山眞男の兄だった。この丸山鐵雄の人物…
この手のお話はネットや本で情報があふれすぎていて、多くの人が、逆に何を読めばよいのか分からない、という気持ちにあると思います。大丈夫です、この本を読みましょう。 ・著者の桜井さんは、東大の院で運動神経生理学の博士号を取得していらっしゃるプロ…
平易な単語で、含蓄がありそうでない言葉、含蓄のある言葉、深い意味はなくてもそんな言葉の使い方・状況が有り得たのかと少し嬉しくなるフレーズが、控えめに綴られています。それだけ。 強いて言うなら最果タヒに近いのかもしれない。あの自己主張と自意識…
社会科学の方法論を主題とする書籍は数多くあるが、多くが理論的な議論に終始しており(これは決して批判されるべきものではないのだが)、資料・現象に接し、論文を書くという具体的な行為としての研究活動を想定したものは存外少ないように思う。本書は、…
『シン・ゴジラ』を見た。この映画には「リアル」だという評が多い。怪獣映画に「リアル」というのは一見奇妙だが、頷ける。 作り込まれたディテールもさることながら、何より「災後」のメディア空間を生きてきた我々にとって、強烈な既視感を感じさせる映…
薄い本です(56ページ)。子ども向けの本でもあります。ですが、けん玉の歴史・現在・技についての情報がみっちり詰まっています。最初の一冊はこれで決まりではないでしょうか。 けん玉の歴史 (多分)もっとも古い例として、16世紀頃のフランスでは、ビル…
俳句を緯とした、夏目漱石の伝記。彼の詠んだ俳句を交えつつ、エピソードを取り上げるという本です。 エピソードを知る事で彼の俳句についての感想が変わるのは勿論なのですが、俳句を知ることで漱石に対する見方も違ってくるのが面白い。生涯で2500以上の句…
題名はまあアレですが、とても良い本です。数学に限らない、学習や問題解決全般(英語学習や、レポートの執筆など)における秘訣が惜しげ無く述べられています。当方(東大医学部)が自分なりに編み出した(つもりになっていた)勉強法もかなり載っていて、少…
デビュー作の『太陽』を読んで衝撃を受けて以来、一応毎作読んでいるのですが、『太陽』以降はどれも微妙… いえ、部分部分にグッとくるものはあり、特に「聖/幻想」と「俗」の混ぜ方はとても好きなのですが、全体としては浅薄に感じてしまいます。 『異郷の…
ポパー晩年の作品で、反証主義についての提唱者自身による再反駁もあります。だから、『科学的発見の論理』よりは、これを読むべきかもしれません。けれど、やはり、長くて難解な割に、個人的には、得られたモノはあまりありませんでした… レポート書くのに…
リチャード・パワーズ、ポール・オースター、カズオ・イシグロ、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベック、T・R・ピアソン、シリ・ハストヴェット(オースター夫人)、アート・スピーゲルマン(ピュリツァー賞を受賞した漫画家)の8人と村上春樹へのイ…
高橋源一郎による小説の書き方・読み方講座という時点で、読みたくなる人も多いと思います。知り合いに高橋源一郎についての所見を聞くと、最近の政治色の強さが苦手、という人がチラホラいますが、これは2002年の本なのでまだ大丈夫ですよ。 まあそんなにス…
2013年発行の本なので少し情報は古いのですが、WordPressについての本を何か1冊探している、という方には強くオススメします。僕が読んだ4冊の中では、一番読み易かったです。 そもそも、WordPressがずいぶん親切なサービスなので、ブログの運営くらいだと…
概要("SF"要素について) 取り立て屋コンビが駆ける! 新本格SFコメディ誕生。 舞台となるのは、人類が最初に移住に成功した太陽系外の星―通称、二番街。プログラマの「ぼく」は新生金融の二番街支社に所属する債権回収担当者で、大手があまり相手にしないア…
概要 美術手帖という雑誌上での、3年に渡った特別企画の10作品+αを集めたアンソロジー。小説誌でなく芸術誌に掲載されたせいか、白い紙に白いインクで印字したり、手書き文字を多用したり、写真を挿入したり、ビジュアル面でかなり遊び心が効いています。 池…