小説

『異郷の友人』—生命は物質の罹患した中二病である

デビュー作の『太陽』を読んで衝撃を受けて以来、一応毎作読んでいるのですが、『太陽』以降はどれも微妙… いえ、部分部分にグッとくるものはあり、特に「聖/幻想」と「俗」の混ぜ方はとても好きなのですが、全体としては浅薄に感じてしまいます。 『異郷の…

高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』

高橋源一郎による小説の書き方・読み方講座という時点で、読みたくなる人も多いと思います。知り合いに高橋源一郎についての所見を聞くと、最近の政治色の強さが苦手、という人がチラホラいますが、これは2002年の本なのでまだ大丈夫ですよ。 まあそんなにス…

『スペース金融道』—銀河ヒッチハイクガイド的SFミステリ

概要("SF"要素について) 取り立て屋コンビが駆ける! 新本格SFコメディ誕生。 舞台となるのは、人類が最初に移住に成功した太陽系外の星―通称、二番街。プログラマの「ぼく」は新生金融の二番街支社に所属する債権回収担当者で、大手があまり相手にしないア…

『小説の家』―小説家のアイデア手帖

概要 美術手帖という雑誌上での、3年に渡った特別企画の10作品+αを集めたアンソロジー。小説誌でなく芸術誌に掲載されたせいか、白い紙に白いインクで印字したり、手書き文字を多用したり、写真を挿入したり、ビジュアル面でかなり遊び心が効いています。 池…