『世界は気になることばかり』—平易で控えめ、素朴な詩集

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平易な単語で、含蓄がありそうでない言葉、含蓄のある言葉、深い意味はなくてもそんな言葉の使い方・状況が有り得たのかと少し嬉しくなるフレーズが、控えめに綴られています。それだけ。

強いて言うなら最果タヒに近いのかもしれない。あの自己主張と自意識の強さを毒抜きして、可愛らしい絵を添えた、少年版最果タヒです。

僕が特に好きなのは、

空がとてもまぶしいし、なにしろ逆光だから、はじめのころはぜんぜんきがつかなかったけれど、目がなれてきたあたりで、ぼくは見つけた! こっちにむかって上がっている凧! だれのだろう?

この文章が少しでも気に入ったら、ぜひ読んでみてください(上の画像から、試し読みができるサイトに飛べるはず)。老若男女にオススメする、素朴で素敵な絵本です。

 

(冬草)