『けん玉学―起源から技の種類・世界のけん玉まで』—けん玉の薄いバイブル

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薄い本です(56ページ)。子ども向けの本でもあります。ですが、けん玉の歴史・現在・技についての情報がみっちり詰まっています。最初の一冊はこれで決まりではないでしょうか。

けん玉の歴史

(多分)もっとも古い例として、16世紀頃のフランスでは、ビルボケと言われるけん玉の祖先が大流行したそうです。なんと当時のフランス王アンリ三世も嗜んだとか。アメリカ大陸やグリーンランドアイヌ民族などにも、けん玉の絵や実物などが残っており、その使われ方も、占い・儀式・狩りの練習・賭け事など、様々だったようです。

日本でけん玉が遊ばれるようになったのは江戸時代で、歌川国貞の絵にもその様子が描き残されています。当初のけん玉は、大人が酒の席で「失敗したら、お酒を一杯」という遊びに用いるものとして広まったものでした。本書には、『拳会角力図会』という1809年の本に匕玉拳として紹介されているのが、けん玉についてのもっとも古い記述とあります。

ただし、当時のけん玉は、文字通り「剣」と「玉」から成る道具でした。今の僕たちが遊びに使うような、側面にも「皿」のついた形のけん玉が誕生するのは、1919年の広島県廿日市市にて、になります。

けん玉の現在

現在では、DAMA FEST、プロのけん玉チーム、けん玉ワールドカップなどが存在しています。音楽に合わせてけん玉の技を披露する動画などを観ると、ヨーヨーやジャグリングのように、恰好良いものとして世界中で認識されているようです。こういった流れのきっかけを作ったのは、アメリカのコリン・サンダーの動画(https://www.youtube.com/watch?v=oGGphVX8hZY)でした。(参考:https://www.gloken.net/jp/publicity/

けん玉の技

「居合いとめけん」などが容易な割に楽しいです。(参考:http://www.k5.dion.ne.jp/~hampen/waza.html

 

(冬草)